その当時は、球場寅さんとしてあちこちに出向いていたから、
飛行機や新幹線で一気に行ける場所ほど近くに感じ、
距離的には近いのにめったに行かない場所は遠くに感じていた。
だから、大津って遠いな…そんな印象を受けたものだ。
そんなこともあって、皇子山球場はあまりにガードが硬すぎて、
それを破ることが出来なったのは悔しかった。
目の前に球場があり、
壁一枚隔てた向こうにはグラウンドが広がっている。
でも、中をのぞくことが出来ない…
まあ行き当たりばったりの球場寅さんだから、
それで文句を言ってはいけないのだ。
それなら、事前にちゃんと調べておけよ…
ということになるわけだから。
再び、西大津駅(現・大津京駅)に着いた私は、
次なる目的地である滋賀県北部の彦根市へ向けて出発した。
当時の西大津駅を出た電車や、
いくつかのトンネルをくぐると、京都の山科駅に到着する。
知らぬ間に県境を通り過ぎることになる。
西大津駅を出た電車は最初のトンネルを迎える前に、
目の前には皇子山球場が見えた。
近くではまったく見えなかったグラウンドの芝生の風景が、
その距離よりは比べ物にならないくらい遠い距離から、
中を見ることができるなんて、皮肉な話だね。
でも、そういった出来事が、
「次は中を拝見させていただきます」とリベンジの気持ちになるわけですよ。
というわけで、大津を後にすることにしました。
次来るときは、試合観戦に来るからねと言い残し、
私は次なる目的地・彦根に移動することにしたわけで。
彦根では果たして…それは後日に回しますが。