私は前日宿泊した青森駅を出発した。
青春18きっぷを片手にJR津軽線の蟹田駅に下車し、
そこで、「スーパー白鳥」に乗り換える。
青春18きっぷは普通列車や快速列車しか使えないのだが、
特急しか走っていない青函トンネルを含む区間である
蟹田駅からJR江差線・木古内駅までは特急が乗れるそうだ。
木古内駅では少し時間があったので、
改札を抜けて、ちょっとだけ街をぶらぶらしてみるが、
事前に何か下調べをしていたわけではないので、あっさり終了。
木古内駅から普通列車に乗り込むが、
特に満席であるわけでもなく、中はガラガラであるため、
適当な座席を見つけ、靴を脱いで、足を伸ばすことも出来る。
列車が動き出してからというもの、何か景色が変わるわけではない。
田舎ののどかな雰囲気、そして車窓に移る海の景色、時々トンネル…。
ウトウトしながら、車内に「間もなく五稜郭」という声が響く。
もうすぐ函館…こんな場所までやってきたんだ。
「は〜るばる来たぜ、函館〜」
サブちゃんの歌声がどこからともなく聞こえてきそうだ。
やっぱり、函館って、はるばる来る場所…そんな気がする。
函館駅に降り立つ。
実に12年ぶりのこと…そう、1994年に一度だけ来たことがあるのだ。
でも、そのときとは違う面立ちで函館駅は迎えてくれた。
明らかに当時とは違う「ハイカラ」な雰囲気が漂う。
改札口を抜けると、すごく広い空間を感じさせる間取り。
そして、駅舎から出てみると、こんな感じだった。

函館駅は私が見た函館駅とはまったく違っていた。
学校の校舎のような雰囲気だった函館駅は、
「母校」とイメージを感じさせないものになっていた。
でも、違っていなかったのは、函館の街の雰囲気。
これだけはそんなに変わっていなかった。
むしろ、「ちょっと老けたな」。
そんな感じを漂わせていた。
★補足★
私は1994年、親友とともに東北と北海道を旅した際に函館駅に降り立った。
そのとき、たまたま青森駅から乗り合わせた
同じくらいの歳の女の子と電車の中で話す機会があり、
私の親友はその女の子と文通をするようになったという。
私たちは広島から電車を乗り継いで函館にたどり着いたが、
その女の子たちはお隣の岡山から来たそうだ。
かつての函館駅はこんな感じだった。

以前の駅舎の方が味があったりする。
変に現代風にすると、何かレトロな雰囲気がなくなったりする。
長崎駅でも感じることなんだけど、
現代風ならすべてOKというわけではない。
壊すことは簡単だが、
昔を今に残すことも重要なのではないかと思ったりする。